こんにちは、公務員ブロガーのまろむです。
近年、副業ブームが世の中で広がっていますね。
その理由としては、単純に収入を増やしたいという理由以外にも、
- 働き方改革で浮いた時間を活用して本業以外のやりたかった仕事にトライしてみたい
- 副業を自分自身のスキルアップに繋げたい
- 本業で得たスキルやノウハウを、本業以外でも活用したい
と考える人が増えてきている事があげられます。
雇い主の企業側も、
- 副業を通して社員のスキルアップを図りたい
- 副業を解禁することで会社のイメージアップにも繋がる
- 従業員の経済的満足度を上げたい
といった背景から、副業を許可したり推奨する会社も増えています。
しかし、公務員はどうでしょうか。
こんなふうに思われている方も多いかもしれません。
この記事でわかること
- 公務員は結局副業できるのか
- 公務員の副業が制限されている理由
こんなあなたに読んでほしい
- 公務員が副業できるのかどうか知りたい人
目次
1:【結論】公務員の副業は法律で制限されている
まず結論から言ってしまうと、公務員の副業は法律で制限されているんです。
具体的には、公務員の副業は次のような法律で制限されています。
参考
第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
参考
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2:公務員の副業が制限されている理由
ではどうして、公務員の副業は制限されているのでしょうか。
その理由として、「国家公務員の兼業について(概要)平成31年3月内閣官房内閣人事局」は
- 職務の公正な執行の確保
- 公務の信用の確保
- 職務専念義務の確保
の3つを挙げています。
1つずつ説明していきましょう。
①職務の公正な執行の確保
1つ目は、職務の公正な執行の確保です。
これは、分かりやすくいうと
「公務員は強い権力を持ってるから、業務上の利害関係者との癒着に細心の注意を払いましょう」
「公務員は特定の個人・団体のために利益を追求するんじゃなくて、国民全体の利益に繋がるように仕事をしないといけませんよ、全体の奉仕者であるべきですよ」
という事です。
もし、公務員が業務上の関わりがある会社の役員になったりして業務外で特定の企業との間に深い関係ができてしまったら、その特定の企業に優先して仕事を発注したり、有利に取り扱ったりということも起こりかねません。
それは社会全体に奉仕するべき立場である公務員としてあるまじき事です。
②公務の信用の確保
2つ目は、公務の信用の確保です。
これは分かりやすく言うと、「公務員は国民からの信頼を失うような事をやってはダメですよ」って事です。
公務員の仕事は、国民との信頼関係の上に成り立っています。
予算は国民の方々から集めた税金を基に成り立っており、職員の給料も税金から支払われています。
このように、公務員の責任は重大です。
なので、もし1人の公務員が不祥事を起こしたりするとそれは公務員全体の信用の失墜につながってしまいます。
なので、もし副業で公務と関わりの深い企業の役員などになってその会社と役所の間で癒着などが起こってしまったら、それは公務員全体のイメージダウンにつながり、公務員に不可欠な国民の理解や協力が得にくくなってしまいます。
③職務専念義務の確保
3つ目は、職務専念義務の確保。
これはつまり、公務員は公務員の仕事に集中しなさい、と言う事です。
これは、国家公務員法第96条および地方公務員法第30条で、公務員の服務の原則として
と規定されています。
税金で仕事してるし、国民の理解と協力が何より大事なんだから、本業の公務だけに集中して全力を注げ!
ってことですね。
ここまで読まれた方、
なんて思われている方いるかもしれません。
しかし実は、公務員にも合法的にできる副業があるんです。
それについての詳しい情報は、こちらにまとめているのでご覧ください。
3:今回の記事のまとめ
まとめ
今回の記事では、
- 公務員の副業は法律で制限されている。
- その理由は、
- 職務の公正な執行の確保
- 公務の信用の確保
- 職務専念義務の確保
の3つ
という事をお伝えしました。
今回は公務員の副業について考える前提となることについてお伝えしましたが、次回以降は公務員の副業についてより深く、現役公務員として感じることなども交えながらお伝えしていこうと思います!